「第8回人・形展」にふらっと入ったらゾッとしたという小並感。丸の内オアゾの丸善で本を見繕っていたら、4Fで無料の展示をやっていたので覗いてみたら面白かったっていうそれだけの話です。普段見ないものを見るといろいろ考えが巡って面白い。
人形って怖い。何が怖いって、あんまりおおっぴらに出来ないような感情がざわつかされるところです。
上のフライヤーの写真のように、割とリアルな幼い女の子の人形が多かったのですが、見ているうちに、作っている人が感じているのかなと思う純粋さとか幼性へのあこがれというか固執への共感だったり、逆に嗜虐性とか破壊衝動のようなものが自分の中で頭をもたげてきて怖いんですよ。
単純に綺麗、とかすごいとかで済ませられない自分が残念です。そのあたりの感情を掘り起こすと自分の中にドス黒いものが見えそうですごく怖い。あーやだやだ。
ちょっとネガティブなコトバになるけど「気持ち悪い」という感情も近いです。対象物が、というよりもそれによって呼びおこされる自分の中の嫌な部分が気持ち悪いという感じ。
まあ、まともな人が観たら全然こんなこと考えもしないんでしょうが。
先に、幼い女の子の人形が多かったと書きましたが、もう一つ異形の者の造形も多かったです。半人半獣の神話の登場者とか伝承に出てくる化物とかですね。
試験管に入った小さな人魚の人形などもあって、なぜだか小説の方の『木島日記』を思い出しました。
そういえば『多重人格探偵サイコ』のラストってどうなったんだっけ。関係ないですね。
人形をリアルに作ろうとすると、子供や幼児になるのはすごく自然な気がします。サイズ小さいほうが作りやすいですから。
でもなんで女性の人形にかたよるのでしょう。作者が男性か女性に寄っているのでしょうか。フライヤーの名前だけだと判断がつかないな。
人形遊びが女児の遊びとして位置づけられていたように、人形自体が女性的な存在なんですかね。
土偶の時代から女性像のほうが多かったようですし。土偶の時代だと制作時点からジェンダーで分かれていそう。この場合は女性ですかね。男どもは狩猟に行き、女どもは採集物を煮炊きするときに併せて創ってしまう。
などと人形について色々と頭を巡らせてしまいました。面白いので近くに用があったら寄ったら良いとおもいます。24日までですけども。