インド、カルカッタの売春窟の人々、こどもたち、写真、女性写真家。イギリス生まれニューヨーク在住の女性写真家ザナ・ブリスキの目線で、ロス・カウフマンがインドの売春窟の子供たちとザナを中心に撮ったドキュメンタリー。第77回アカデミー賞<最優秀ドキュメンタリー賞>受賞作品。
売春婦の子として生まれ、母親が同じ部屋で客を取るような環境で育つ子供たち。ザナに「11歳で結婚。14歳で客とり。教育を受けさせなきゃ未来がない。」と言わしめる環境で育ちながら、こどもたちがすばらしい。
「貧乏でも幸せになれるって信じてる。」「悲しいことも辛いことも人生だから。」
もちろんこどもたちも、そのまま何も無いと女の子は売春婦に、男の子はその手伝いになることは分かっている。できれば抜け出したいと思っている子ももちろんいる。ザナはそんな彼らに教育という機会を与えようと奮闘する。
でも、どんなに力を尽くしても、すべてどころかひとつでも自分が良いという方向へ向かうのは稀で。辛いことはたくさん起きるしザナや多くの人が望むだろう結果が必ずしも出るわけではないけど、どこか希望に満ちていてなにより子どもたちが素晴らしい。
ロス・カウフマンや登場したこどもの一人アヴィジットの来日時のインタビューも印象深い。記事のタイトルはそのなかのアヴィジットのことばから。こどもの可能性や環境、接し方などについて考えされられながら、やさしい気持ちになれる傑作。
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