2015年1月28日水曜日

地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金とかいう補助金が出るそうです


燃料価格などによる電力料金の上昇や為替変動等によりエネルギーコストが上昇しています。これに対応する形で内閣府は平成26年度の補正予算でエネルギーコスト対策に関する補助金が計上しました。

なかでも目玉というか一番の金額になっているのが「地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金」という補助金です。なんと929.5億円の補正予算がついています。

1月9日に閣議決定されたばかりで未だ下記2つの資料のみが公開されている状況です。

資源エネルギー庁の資料
http://www.meti.go.jp/main/yosan2014/hosei/pdf/01.pdf

内閣府の資料
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/energycost/dai3/siryou2.pdf

概要としてはこれまでもあった省エネ機器の導入に際して補助金を出すと言うものですが、これまでになお聞き慣れない言葉が使われています。

「地域工場」であったり、「地域の中小企業」という形で『地域』という言葉が資料の中で頻出しているのです。これが一体に何を指しているのか不明で、今後の情報が待たれるところです。

それ以外の部分では今までの補助金に比べて対象となる設備の単価が引き下げられ、より小さな事業体が利用しやすいようにという意図が見られます。
補助率も他の事業者が1/3のなか、中小企業(とエネルギー多消費企業)は1/2となっており、小さな事業体が利用しやすいように設計されています。

また、申請手続きについても簡略されるようです。
どの程度の申請手続きになるのかはまだわかりませんがエネ合のような分厚いファイルの提出を求めるようでは小規模事業者はなかなか難しいでしょうから、定式化・簡略化されたものになるのではないのでしょうか。

一定規模以上の事業体の省エネ投資が一巡した中で、中小企業からの投資を促進したいという経済的な意図も透けて見えます。

一方で下記のニュースにもあるように企業側では省エネ機器に投資しようという前向き(?)な対応は余り考えられていないようです。

省エネよりも人員削減と原子力を優先、日本商工会議所の全国調査で

設備の更新を考えている中小企業さんにとってはこういった補助金は良い追い風になるとは思うのですが、そもそもそういった意識をしている企業さんが少ないとなると、どうなることでしょう。

結局蓋を開けてみると大企業がうまく利用して「地域」も「中小企業」関係ないところで消化されてしまったなんてことにならないと良いのですが。

これだけ予算をつけて消化しきれなかったということになると目も当てられませんけどね。

引き続きモニターしていきたいと思います。
それにつけても補助金名称が長いですねえ。




2015年1月15日木曜日

DMM.make AKIBAは箱と設備は揃えたけど人はこれからという感じ


DMM.make AKIBAの見学会に行ってきました。

かのDMMの運営するシェアオフィスと工房で、「モノを作りたい人が必要とする、全てをご用意しました。」とぶちあげてCMもガンガン打っています。

趣味レベルで工作に興味があったのと、コワーキングスペースに興味があって行ってみました。

シェアオフィス部分と工房はフロアで分かれていて、12階にシェアオフィス、10階に工房があります。11階はハードウェアベンチャー向けのコンサルティングスペース?があるらしいですけれど、今回のツアーでは全く触れていませんでした。まだ稼働していないのかも。

シェアオフィス部分は内装も凝っていて良い雰囲気でした。


フリーアドレス部分はこんな感じ。何故かバーカウターなどある。


専有オフィス部分は中は見せてもらえませんでした。すでに予約含めて全部屋埋まっているとのこと。

会議室の一つ。豪華すぎて値段設定がまだ決まっておらず稼働していないらしい。低反響部屋で個人的には落ち着かない。



ここまでは一般のコワーキングスペースと同様の設備かなと。オープンしたてなこともありますが全体的に内装のレベルは高いと思います。

ここからは.makeたらしめている工房の部分。

工房はひとつの大きなオープンスペースと、様々な作業に特化した小さな部屋に分かれています。

オープンスペースはこんな感じ。木製のデスクがいくつか並んでいて、その周りをいろいろな設備がぐるりと囲んでいる感じ。

小部屋の方は5億円分の設備というだけあって、ミシンから業務用ハンダ付け器まで幅広くあります。

ただしその多くはまだ稼働していないとのこと。専門性の高い設備はそれを扱えるスタッフがまだおらず、値段設定も決まっていないんだそうです。

今稼働しているのはしているのはレーザーカッターやUVプリンター、キャスティング、ペインティング、ミシン等の比較的ライトなものづくり系で品質テスト周りや業務用ハンダ付け器と言ったところはこれからのよう。

スタッフの確保が難しいのは理解できますが、値段設定等は設備導入するときに考えないんかいと突っ込みたい。

本格稼働の前にまずはスタッフさんの確保を、という様子でした。


ものづくり系の共有スペースでここまで設備を整えているところは他にないと思うのでこれからの展開が楽しみです。

2015年1月10日土曜日

2014年振り返り コンテンツ消費篇

2014年に消費してよかったと思うコンテンツのまとめ。

あくまで僕が消費したのが2014年で、コンテンツそのものは昔からあるものも多いはずです。


球形の季節|恩田陸



2014年は新しい本を余り読まなかった。実用書は何冊か読んだけれど活字の物語は何度か読んだことのあるものを読み返す事が多かった。リアルでかなりストレスフルな生活を送っていたので安心できるところに退避したかったのかもしれない。
そんなわけで恩田陸さんの本も何冊か読み返した。六番目の小夜子、黒と茶の幻想、月の裏側などなど。

そのなかでも2014年に一番良かったと感じたのは球形の季節でした。恩田陸さんの作品では形を変えて人間を「あちらがわ」と「こちらがわ」に二分する設定がちょくちょく出てきます。月の裏側然り。光の帝国然り。この球形の季節もそう。

そのあちらとこちらの分断が、他者という圧倒的に理解不能な広がりを持つ存在を象徴的に描いているように2014年の僕には感じられたのでした。つながってる部分では確かに理解し合えているけれど、その後ろ側に理解不能かもしれないものっすごい広い領域をみんな持ってるんだよね。

そんな様子を地方都市の高校生の日常と非日常に落としこんでいてすごい。

思い返すと本を読んだ時の感じ方にリアルの出来事がよく反映されてますわ。


リトル・フォレスト|五十嵐大介




映画の「夏/秋」からはいって漫画も読みました。たまたまYahoo!で「夏」オンライン先行上映があってみて、よかったので映画館に観に行きました。そのころ地方農村の暮らしに興味があったのと、主演の橋本さんが美しかったのと、食べ物がおいしそうなところに惹かれたのだと思います。

地方農村のはなしはここ数年友人と時々話題になるけど、ぱっと盛り上がって中々具体的にはなっていないです。
橋本愛さんは何年か前に「桐島、部活やめるってよ」をみて、ファンになりました。美しいんですよ。ほんと。

食べ物を、畑で育てるところから始まって、料理して食べるところまでの描写が丁寧に描かれていて元気が出る。映画館で友人とうまそううまそうって言いながら見ていました。


虫と歌/25時のバカンス|市川春子



漫画。買ったのは一昨年かもだけど2014年に何度も読みました。人と、人でないものの物語。
人の情を描くタイプのSF、だと思う。設定が素晴らしく、そこに載っている物語も完成度すごい。

日下兄妹の話が好き。ラストシーン完璧すぎる。

宝石の国も読んでます。


tofubeats



たぶん2014年に一番聞いた音楽。tofubeatsさんは水星のころから聴くようになっていたけど2014年はSummer Sonicの森高千里さんとのステージではじめて生で見て、代官山UNITのリリパファイナルにもいきました。
リリパのほうはむしろラブリーサマーちゃん目当てだったのにその時は酔っ払って眠っていたという。せつない。

音楽ジャンル的にはこれまで全然聞いたことないところなんですけれど、何故か凄く懐かしい感じがして気持ちよく聞けます。うまく言葉に出来ないけど、なんというか、やさしい終末感があって好き。マンガで言えばヨコハマ買い出し紀行みたいな。

終末感のある漫画といえば浅野にいお終末感は優しさが足りないなあと思ってたけど新連載のデデデはちょっと優しさ増してるかな??


LOVE|古川日出男



これも読み返した本。古川日出男さんの文体は妙に硬くってはじめ読みにくかったけれど今はもう慣れました。ファンタージみたいに物理的にありえないことは描かないけど、絶対にないだろうという格好良いフィクションを書く人。この本は東京を舞台に絡み合ういくつかの中編物語を集めた形です。

その中のひとつの自転車を駆る男の子とトバスコとうさぎ係の女の子がでてくる話が好きで何度も読みました。現実を見つめて、自分の居場所を見つけて、前かどうかわからないけど進んでいく子どもたちの描写がすごく良い。ちょろちょろでてくる大人たちも良い。辛くっても前に進んでいこうという気持ちになります。


スワロウテイル|岩井俊二



年末に新宿ミラノ座のラストショウで見ました。いままで2,3回は観ているはずだけどいい具合に忘れていて楽しめました。

ところどころの設定や展開はちょっとどうだろと思うところあるけれどよくわからない力があって元気がもらえる。


Star Mother|Robert F. Young



Robert F. Young ロバート・F・ヤングもよく読みました。2014年は奇想コレクションでたんぽぽ娘も出てほくほくでしたよ。

Star Motherはとても短いお話なのですが、宇宙開発時代の初期(と言っても実際の、ではなく仮想の)を舞台にヤング得意の喪失感、哀愁、やさしさが凝縮されていて何度も読みました。ふと思いましたがヤングとディケンズて少し似てるような気がします。


Ingress|Niantic Labs


Googleの社内ベンチャープロジェクトNiantic Labsによる位置情報を使ったARゲームのIngress。
7月にiOS版が出てしばらくしてから始めました。それ以降の僕のアウトドアアクティビティの大半を占めていたと言っても過言ではないです。

家の周りの神社やら公園に詳しくなったり、ゲームを通して新しい発見があり面白い、というのがはじめの印象だったのですが、途中から縄張り争いという根源的なところを暴力的に刺激されてはまっていった感があります。
最近は若干バーンアウトしてゆるゆるやっています。


沖縄/宮崎|日本 


8月の終わりに無職男2人で行った沖縄と宮崎。素晴らしかった。

風土と文化、歴史は至上のコンテツですよ、やっぱり。

宮崎は高千穂に初めて行ったけれどさすが天孫降臨の地。伝承が息づいている感じがしました。天安河原の積石にはぞっとした。


他にもいろいろ漫画とかアニメとか小説とか映画とか消費してましたが、特に心に残っているのはこんなところでした。
振り返ってみてもやっぱり物語が好きで、2015年も物語を消費するというのが生活中心にあると思います。