2013年2月18日月曜日

代官山マルシェ+東北マルシェ|散歩記録

日曜日にTheatre CYBIRDで開催されている代官山マルシェへ行って来ました。17日は東北マルシェという東北産の食品をプッシュしたイベントがその中で開催されるということで、知人から紹介されたので行ってみました。代官山マルシェそのものもGreensか何かで紹介されていたのを読んでまえまえから気になっていたのもあって、散歩がてら。


場所は代官山の駅から迷いながら10分もかからないくらいのところ。誰も場所調べて来なかったので連れの持っていたiPhoneさんに頼る。iPhoneさん便利。
Theatreとついているくらなので、劇場なのでしょうか。会場はちょっと変わった空間。その中に5,6個のブースが並んでいます。早い時間に言ったつもりでしたが結構賑わっていました。

入って一番近くのところに東北マルシェのブースが陣取っていて、日本酒の試飲を振舞ってくれていました。枡にプラスチックカップを載せて注いでくれるという利便と本格のハイブリット。しっかり冷えた冷酒とても美味しい。
東北ブースで試食のかりんとうをいただきつつ並べられた品々の解説を聞き、山葡萄のピューレとエビ塩かりんとうとりんごを1つずつ購入。

それから東京近郊の有機野菜を扱っているブースや鳥取の農家さんの野菜を扱っているブースでいろいろと試食。らっきょう美味しい。なんかラーメンの試食出しているブースもあって面白かった。

最後に三陸の生わかめを湯にくぐらせたものをいただいてお暇しました。わかめ、お湯にくぐらすとさっと色変ってとても綺麗。歯ごたえがあって美味しかったです。


その後は代官山から友人の家までさんぽ。代官山の蔦屋初めて言ったけれど長居できそうでよい。


駒場の裏の山手通の換気塔。駒場によく行ってた頃はずっと工事していたけれど、いつの間にか完成していたよう。もう一つ手前に立っていて、3本の塔が道の真中に並んでいるのはなかなか不思議な光景。道沿いの歩道が昔はすごく狭くてすれ違うのも大変だったけれど、随分広くなっていた。

マルシェにいってみて、投資としての消費っていう概念がすごくささった。東北マルシェは特にそうだけれど、そこに消費することで、応援したい、持続して欲しい、って気持ちがとても強く表に出ている。金銭的なリターンはないだろうが、関係性なのか、物語なのか、うまく言語化できないけれど商品そのものだけでないなにかに価値を見出している。


2013年2月14日木曜日

大久保で四谷会談『ボランティアのコミュニティデザイン』

2月11日に大久保で行われた四谷会談へ参加してきました。大久保で四谷会談って不思議な字面ですね。そもそも四谷会談ってなんだよってところから。四谷怪談のもじりなんでしょうか。

まず四谷会談について。公式ホームページから引用しときましょう。
「四谷会談」は上智大学ネオソフィアン”Neo Sophians’ Network”が主催している市民講座です。
メインコンセプト「知力・体力・時の運」を元に、毎回テーマ通のゲストから情報提供いただいています。
他では聴けない社会性の高いテーマを率先して扱い、ソフィアン&フレンズの好奇心に応えています。 −四谷会談 http://talklive.seminarjimukyoku.com/

上智大学ネオソフィアンというのは、上智大学の現役生と若手の同窓生の会のようです。新しいのネオに上智生のソフィアンですかね。上智大関係者を優先したイベントのようですが、無関係の僕も参加させてくれました。フレンズに入るんですかね。なんか照れる。あと、メインコンセプトが素晴らしいと思います。

今回が第一回目で、『ボランティアのコミュニティデザイン』というタイトルでTEDxKids@Chiyoda創立者兼キュレーターの青木竜太氏のお話が聞けました。

内容については、四谷会談事務局の菅原大介氏のブログに綺麗にまとめられています。一番気になっていた持続性のあるコミュニティについて部分を引用します。

【5】永続するコミュニティ運営の秘訣
(1)楽しいが行動原理-ワクワク感の演出
  ・登壇者の決定を皆で喜ぶ、そろいのTシャツを着るなど
(2)詳細な計画ではなく方向性-アンコントロールのデザイン
  ・計画は変わるもの 不確実性を楽しむ
  ・プロマネに長けた人ほど失敗しやすい側面も
(3)色を塗れるスペース-一人ひとりが主役になれるステージ
(4)労働力ではなく仲間-良質な関係性の構築
  ・アイデア→行動→関係性
(5)休憩のデザイン-アクティビティ率が異なる中でのコミュニティデザイン
  ・アクティブ率が下がっていくメンバー→別のコミュニティを用意してケア

ふじのきさん家(ふじのきさんち)のプロジェクトを眺めていると「地域安全保障」っていう大義をボランティアワークで担保しようという風にもとれなくもなくって、ボランディアだけで持続していくものなのだろうかと疑問に思っていたけれど、このイベントを聞いて、自分はボランティアを労働力という側面に寄って見ていたのだなと気付かされました。
ただふじのきさん家(ふじのきさんち)の場合は、性質上、関係性など細かいところまでデザインしようという意思が働いていたり、二重構造になっていたりして、青木氏があげた秘訣を実践していくのはなかなか骨が折れそう。
せめて(1)だけでもうまく演出できないかなあ。悲しいことや義務感よりもわくわくをモチベーションにしたほうが良いコミュニティをつくれるというのは間違いないと思います。持続性についてはまだなんとも言えないけれど。



2013年2月9日土曜日

ふじのきさん家(ふじのきさんち)|コミュニティの新しい形を目指して

2/9イベント時ふじのきさん家(ふじのきさんち)正面の様子
「ふじのきさん家(ふじのきさんち)」というコミュニティスペースが3月の終わりにオープンします。今日はすみだ耐震補強フォーラムの一環として「ふじのきさん家(ふじんのきさんち)」を紹介するプレイベントが行われました。

「耐震補強フォーラム」と「コミュニティスペース」というのはなかなか不思議な組み合わせかもしれません。これには「ふじのきさん家(ふじんのきさんち)」が出来上がるまでの特異な経緯があります。「ふじのきさん家(ふじんのきさんち)」は多くの成功したコミュニティスペースのような強い志を持った個人から始まった活動ではなく、行政や研究機関を巻き込んだ大きな枠組の中から生まれてきたプロジェクトです。

ユニークで興味深いプロジェクトなので私なりの視点から「ふじのきさん家(ふじんのきさんち)」プロジェクトのこれまでの経緯についてまとめてみたいと思います。

※ここに記したことは個人的な認識でいかなる団体を代表したものでもありません。


コミュニティの高齢化と地域安全保障の問題を解決したい

墨田区の北部、隅田川と荒川の間の地域は、1923年の大震災や大戦の戦火を免れた地域で、古い木造住宅が密集している場所が散在しています。これらの建物は旧い建築基準に則ってたてられたもので中には壊れやすく、燃えやすいものも少なくありません。近年懸念されている首都圏直下地震などの大規模な災害が起きた時に、この地域全体で大きな火災がおきるというシミュレーションも行われています。つまり、災害に弱い地域なのです。

このようなハード面の不安を抱えながらも、町内会などの地域に根ざした地縁組織を中心とした緊密なコミュニティによって暮らしていく上での一定の安心感が担保されてきました。災害に対しても地域内で一体感のある防災意識が醸成されていることは、例えば一時避難の際にも有利に働くと考えられます。

しかし、大通り沿いのマンションへの入居者などの新しい住民と古くからの地域住民とのコミュニティの断絶や、古くからの地縁組織そのものの高齢化により、コミュニティの力が弱まってきています。このようにソフト面においても、地域の安全保障を担保することに不安が感じられるようになってきたという現状があります。

これに対して行政は、建物の不燃化耐震化を促進するというハード面の解決を図る事業を通して長くコミットして来ました。しかしこの事業は建物の持ち主に決して少なくない金銭的な負担が生じることもあって彼らの思うように進んではいないという現状が伺えます。加えて上記のコミュニティの弱体化が深刻化する中で、ハード・ソフト両面から地域の安全保障を担保すべきという機運が高まってきました。

そんな中で、墨田区と(財)都市防災研究所が中心となって、『すみだ燃えない・壊れないまちづくり会議』がたちあがったのです。

すみだ燃えない・壊れないまちづくり会議

『すみだ燃えない・壊れないまちづくり会議』は東京大学工学部教授小出治氏を座長とした会議体ですが、主に『東京都新しい公共の場づくり支援モデル事業』に取り組んでいます。
『東京都新しい公共の場づくり支援モデル事業』については、(財)都市防災研究所のHPに次のように示されています。

住み続けることのできるまち・すみだを目指して
『東京都新しい公共の場づくり支援モデル事業』
 
墨田区北部の木造密集市街地では地域を支える担い手の高齢化が進み、安全・安心を支える地域のつながりが弱くなり、高齢者の引きこもりが増えている。結果として、老朽化した木造住宅の改修、建替えは進まず、市街地の安全性について確保されていない。喫緊に迫る首都直下地震に対応するため、地域コミュニティの再活性化、並びに老朽化した木造建築物の不燃化、耐震化の促進と安全・安心に住み続けるための機能導入が必要とされています。
老朽化した木造建築物の不燃化、耐震化の促進と安全・安心に住み続けることのまちを目指し、NPOや 地縁組織、行政等が協力し、地域の福祉・相談機能を担う『寄合い処』社会実験を通じて、地域防災力を強化するとともに、モデルを墨田区全体に拡げるための中間支援・資金調達の仕組みを検討し、具体化することを目的に、すみだ燃えない・壊れないまちづくり会議が、『新しい公共の場づくり支援モデル事業』(平成23年9月~平成25年3月)に、取り組んでいます。 -2013/02/09 http://www.udri.net/sumidaHP/sumida.htm

長いですが要約すると、 先ほどあげた建物の不燃化耐震化の促進と、地域のコミュニティを担う『寄合い処』というコミュニティスペースを通して地域の防災力を強化し、そのスキームを墨田区全体へ普及する支援を行なっていくという趣旨の事業であり、まさに先に述べた墨田区北部の問題の解決にハード面・ソフト面両面からとりくんで行く意思が伺えます。

「ふじのきさん家(ふじのきさんち)」は、そのはじめの『寄合い処』モデルとして誕生したプロジェクトなのです。

「ふじのきさん家(ふじのきさんち)」のおもしろいところ

多くの成功しているコミュニティスペースは、個人から始まった活動です。その個人は複数人かも知れませんし、自治体や商店街の支援を受けているかもしれません。あるいは商業ベースかもしれません。しかし、基本的には志を持った個人が自分の想いを実現していく中で、地域のコミュニティとしての機能を担っていく、というのがこれまでのコミュニティスペースの在り方、生まれ方でした。

「ふじのきさん家(ふじのきさんち)」の興味深いところは、行政主導で始まっている、というところです。区が中心となって立ち上げた『すみだ燃えない・壊れないまちづくり会議』という会議体が(来年度にはNPO団体となる予定です)、まずスペースを作り、そこでの活動を促していくというかたちで、「ふじのきさん家(ふじのきさんち)」は生まれました。このような形は他にはまだないかもしれません。更に、「ふじのきさん家(ふじのきさんち)」をモデルとしてスキーム化し、区全域へ広めていくつもりでいるようです。

今回、同じく区が主導する耐震協議会のイベントに「ふじのきさん家(ふじのきさんち)」が登場することになったのも、このような経緯があってのことです。

これから活動が活発化していく中で、責任の所在や意思決定の方法など、試行錯誤で進むのではないかと察せられます。半ば自然発生的に生まれてきた新しいコミュニティの形を、行政が支援するだけでなく作為的に作り上げられるのか、非常に興味深く、これからも見守って行きたいと思っています。

「ふじのきさん家(ふじのきさんち)」のいま

2/9イベント時ふじのきさん家(ふじのきさんち)一階の様子
現在のところ、「ふじのきさん家(ふじのきさんち)」は『すみだ燃えない・壊れないまちづくり会議』の事務局である(財)都市防災研究所と、地元の町内会の方々を中心として運営されています。3月末のオープンに向けてこれまで幾度かプレイベントを行なっているようですが、参加されているのは町内会の関係者や報道機関、会議体関係者、街づくり関係者が中心のようです。

これから町内会と関わりの薄い住民層をどれだけ取り込めるのか、持続的な活動のためのファンディングをどのように行なっていくのか、課題は多いですが先が楽しみです。

参考

ふじのきさん家HP

すみだ燃えない・壊れないまちづくり会議の取り組み|(財)都市防災研究所

2013年2月1日金曜日

ローマ法王に米を食べさせた男(高野 誠鮮 )|読書記録


ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

たまたま読んだら、凄くテンション上がったのでメモ。
過疎高齢化により18年間で人口が半分に落ちこんだ“限界集落”の石川県羽咋市の神子原地区を、年間予算60万円で、わずか4年間で立ち直らせた“スーパー公務員”・羽咋市役所職員の高野誠鮮氏。神子原地区の米をローマ法王に献上することでブランド化に成功させる。農家が株主となる直売所を作って、農民に月30万円を超える現金収入をもたらす。空き農家を若者に貸すことでIターンを増やす。アメリカの人工衛星を利用して米の品質を見抜く。『奇跡のりんご』のりんご農家・木村秋則氏と手をむすんで、JAを巻きこんでの自然栽培の農産物つくりを実践し、全国のモデルケースとなるなど、その活躍ぶりは際立っている。本書では同氏が手がけたさまざまな「村おこし」プロジェクトを紹介。これを読むと、仕事のアイディア力が増す、商売繁盛のヒントになる、そしてTPPにも勝つ方法を学ぶこともできる! -Amazon内容紹介
思い立ったら天皇や法王にまでコンタクト取っちゃうところとか、 前向きで行動的ですごい。いろいろやってみたらいいよねって気持ちになれる。駄目かもしれないけどさ。

キッシンジャー回想録 中国(ヘンリー・A.キッシンジャー)|読書記録

年末くらいから、少しづつ読んでいた『キッシンジャー回想録 中国』上下巻をようやく読み終えました。ドイツ出身の国際政治学者でアメリカのニクソン政権およびフォード政権期にて国家安全保障問題担当大統領補佐官および国務長官を務めたキッシンジャーによる回顧録の一つ。

アヘン戦争前後から第5世代までに渡る中国の政治と外交について、実際にその外交に携わったものの視点で述べていてとても興味深いです。文章も読みやすくボリュームはありますが読むのは辛くありません。
著者の立場上自然なことですが主に中国とアメリカの外交について書かれています。両国がそれぞれのイデオロギーを掲げつつも、実利を求めて距離を測り合う様子が鮮やかに描かれています。中国の歴代のリーダーに対するキッシンジャーの評もとても面白いものです。彼が相手を理解することに努力を惜しまなかったことが伺えます。イデオロギーと距離を置き、冷静な視点で評価している点に交換が持てます。

碁とチェスの違いをもって中国とアメリカをはじめとする欧米の戦略の違いを解釈している記述も興味深かったです。その後もたびたび中国の行動を碁の戦略になぞらえている記述が見られかなり重要な差異と受け取っていたのでしょう。

著者の主観も大いに入っているとは思いますが、近代以降の米中外交を概観できる良書と思います。



キッシンジャー回想録 中国(上)



キッシンジャー回想録 中国(下)