2012年11月9日金曜日

女子の古本屋(岡崎 武志)|読書記録




古書店の女性店主への取材をまとめたノンフィクション。雑誌で連載していたものをまとめたもののよう。


本に限った話ではないし、ものに限った話でもないのだけれど、これだけストックが溜まってきて、大量の新しいものが出てくる中で、キュレーションする人が必要なんだよなあって思う。んで、そのキュレーションの方法論自体がまた多様化していっていて、また発散しそうなどと考えている。まとめポータルみたいのはそういう文脈で出てきてるんだろうなあと。
古本屋もキュレーターだと思う。そして個人でやっている古本屋はキュレーションの方法論ががっつりその人の内面と結びついていて面白い。その辺りが垣間見れて面白い本。実際お店までいったほうがより楽しめると思う。ので近場だけでも行ってこようかと思った。

2012年11月4日日曜日

朝日のように爽やかに(恩田陸)|読書記録


恩田陸さんの話は、長編のほうが好きだな、と思った。

恩田陸さんの長編で好きな作品は挙げればきりがないほどあるのだけれど、ディテールの表現がすきで、それを丁寧に積み上げて物語やキャラクターを描いている様子がとても好き。なので短編でも連作のものではすごく好きなモノがある。
単発の短編でそれを出すのはなかなか難しいのかなあと思う。

逆に短編のほうが好きな方はいるかなあと思ったら、村上春樹さんとかはそう。彼の文は1文から村上春樹だし、ストーリー自体に魅力を感じて読んでいるわけでもないので、短編集のがさっくり読めて好き。いや長編も好きなのですけれどね。

フィクションは基本もの考えずに読んでいるので好き嫌いしかわかんないです。

なぜヤギは、車好きなのか? (小林朋道)|読書記録



台東区図書館の中央図書館は、本棚の側面に表紙が見られるようにディスプレイできる場所があって、そこにおそらく司書さんがピックアップしたであろう本が置かれています。(台東区図書館は1年前くらいからTRCが受託運営しているけど、あの人達も司書って扱いでいいんだよね?)そこで見つけた本。ヤギだったから読むしかなかった。

著者が教鞭をとる鳥取環境大学のヤギ部を舞台に、そこで生活しているヤギの習性に焦点を当てた随筆。副題に動物行動学とありますが、学問的な匂いのする文章ではありません。ヤギにはその語感から勝手に親近感持っていましたが、特に何も知らなかったので興味深く読めました。著者がヤギの内面をいろいろ想像しながらコミュニケーションとっている様子が微笑ましい。
いつかヤギ飼いたいなという気持ちになりました。

私たちは繁殖しているイエロー(内田春菊)|読書記録

ちょおっと前に遊びに行った友達んちにあって読み始めたらおもしろかったので、遊びに行ってるってのに読み通した。内田春菊さんの『私たちは繁殖しているイエロー』。小学生の頃友達のところ遊びに行ってずっとジャンプ読んでてキレられたことちょっと思い出した。

出産育児漫画。私は妊娠出産はしたことないし、これからもすることはないので、その感覚は一生わからないと思うのですが、この漫画からは妊娠に対して比較的冷静かつ自分事として接している感じを受けます。自分の話をコミカルに描きつつ、一般的なことやら伝聞のエピソードなどが挿入されていて、楽しみながらひととおりの妊娠出産育児イベントが追えました。エッセイとか、自分のことを描いているものって、イベントが起こった時の直情的な感覚と描いている時の観察的な冷静な感覚が同居しているように見えて面白い。内田春菊さんはその、直情的な感覚と冷静な間隔の幅が広いと思う。この幅がひろい人ほど面白い話するような気がする。
読んだ前後に、別の友人の妻が妊娠したことを聞き、いろいろ状況を話してくれるので、それを聞きつつ反芻しています。性の別なくみんな読んだらいいと思う。

2012年10月30日火曜日

目黒寄生虫館ヘ行ってきた(ちょっとグロめの写真あり

先日、目黒寄生虫館へ行ってきました。
なんでかっていうと、誘われたから。今までその存在を知りませんでした。
目黒駅から歩いて行きました。適当に見当をつけて歩き始めたら、結構距離があって途中不安になったけれど、疲れる距離ではありません。明治通り沿いに左手をずーっと歩いて行って、山手通りとぶつかる交差点の神社を過ぎて少し行ったところにあります。

でも、行く前の日に別の友達に話したら、奥さんといったことある〜っと言っていたので、それなりの知名度を誇るのかも。僕は基本無知なので、知りませんでしたが。

 入場は無料。2フロアあって、2階には絵葉書とか、Tシャツとか、本物の寄生虫を封入したキーホルダーとかグッズがいろいろ売っている一角があります。結構見に来ている人いました。グループ、2人連れ、ソロ。やっぱりそれなりに有名なのかも。
 展示は、ホルマリン漬けの標本や写真、ノートなどの資料、解説パネルなど。物販コーナー以外は撮影OKです。ホルマリン漬けが見やすいように、封入されている青いなにかの色が、好き。標本たちが基本白いので、青色によく映えます。
いろいろ、うわーってなる展示があって体感温度下がった。
でも一緒に見に行った人はお昼何食べよーか考えてたらしいですよ。
なかなかボリュームもあって見応えのある展示でした。

写真はxz-1で撮りました



2012年9月27日木曜日

『桐島、部活やめるってよ』|読書記録


映画、おもしろかったので、文庫版を読みました。朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』。

アマゾンに酷評が多かったので楽しみにしていたのだけれど、文体も読みやすいし内容も映画に比べてひどいってことは全然なかった。
映画と違って、短編連作といったスタイルで、それぞれの人のエピソードはあんまり絡んでいない。1人称描写で内面描写が多くて、そんなに濃いイベントも起こらない。決定的な変化があるわけでもない。でもすごく優しくさり気ないかたちで、たしかにそこにあるんだろう小さな変化を綺麗に掬いとってる。

そういう描き方って、やっぱり小説があってるんだろうなと思う。映像でもモノローグを入れることもできるけど、それが中心になるのは違和感ある。で、モノローグを入れないとなるとやっぱりそれなりのイベントがないと人の変化って表現するのが難しい。映画で桐島がより重い存在としてみんなにのしかかっていたり、キスシーンや屋上のゾンビシーンやバレー部のシゴキシーンがはいるのはわかりやすいイベントが必要になるからなんだろう。最期の宏樹と涼也の会話もそうだし。
映画は映画ですごく好きだけれど(橋本愛は美しいし)、そういったイベント無しにさっと掬い取る小説の描き方もとても好きだ。

教室はとても特異な場所だと思う。同じ時期に近い場所で生まれたってだけであんなにも多くの人が狭い場所に座って同じ方向を見ている。でもその中には断絶があって、みんなが同じ物を見ているわけじゃない。たぶん、学校がなければ一生会わないような人たちと空間をシェアしてる。あんなに狭い空間をシェアしてるわけだから、断絶があったってやっぱり袖が触れ合うわけで、そこで摩擦があって、ドラマが生まれるんだろうな。

ひかりそのものだ、という顔はそこから生まれたのかもしれない、とも思う。



『トリガール!』|読書記録

なんとなく、図書館で目についてので読んだもの。中村航さんの『トリガール!』。
さらっと読めて、展開も先が読めるくらいにわかりやすくて、だけど読むのは楽しい文章。清涼炭酸飲料を飲むような気持ち。
後味もすっきりで飲んだことすら忘れそうな感ある。

2人乗りの機体にこだわってるということで芝浦工大がモデルなんでしょうか。実際公開告白とかやったらしいし→http://tbt.bird.cx/museum/S-180/s180.html
大学生の時に100人超のプロジェクトに関わるっていうのは随分すごいことのように思える。得るものあるだろうし楽しいだろうなと(同じくらいきついと思うけど)。そういう部分はこの本ではあんまり描かれてなかったですね。

ノンフィクションとかドキュメンタリーあったら読みたい。